社会保険労務士Ｑ＆Ａ

Ｑ　１：　試験に合格しただけでは、社会保険労務士になれないのですか？
Ａ：
まず、社会保険労務士の試験に合格することが前提ですが、合格後に全国社会保険労務士会連合会の名簿に登録し、同時に各都道府県の社労士会に入会する必要があります。

名簿に登録するには、実務経験２年以上あるか、そうでなければ連合会の講習を受講すれば、登録できます。（手数料、書類必要）

また、各都道府県の社労士会への入会は、所定の手数料を納めれば、すぐに入会できます。これらの手続によって、正式に社会保険労務士を名乗って、仕事ができます。
詳しくは、社会保険労務士になるにはをご覧ください。

Ｑ　２：　社会保険労務士の将来性はどうでしょうか？
Ａ：
社会保険労務士の認知度は、社会的にまだ低いのですが、今後の高齢化による年金問題、雇用問題や、近年増加傾向にある労働紛争（特定社会保険労務士）などによって、その需要はますます大きくなると考えられています。

ただし、労務の書類作成（１号業務）、代理業務（２号業務）よりも、労務の相談・指導などのコンサルティング業務への取り組みが、将来性のカギとなると予想されています。
（１号業務、２号業務はＩＴ化により、収入が限られてくるようです。）

Ｑ　３：　社会保険労務士は、主にどんな仕事をするのですか？
Ａ：
主な業務として、以下の３つがあります。

＜労務に関する書類の作成・・・１号業務＞
・企業の就業規則、賃金台帳、労働者名簿などの作成
・官庁に提出する申請書、届出書、報告書などの作成

＜代理・代行業務・・・２号業務＞
・１号業務の申請書などを事業主に代わって、官庁に提出
・官庁に対する陳述、主張などを事業主に代わって行なう

＊上記の１号と２号業務は、社会保険労務士だけに認められた、
独占業務です。

＜相談・指導などのコンサルティング業務・・・３号業務＞
企業や個人事業主からの依頼で、労務に関する相談、指導などのアドバイス

Ｑ　４：　社会保険労務士に合格したら、給料が上がりますか？
Ａ：
多くの企業では、社会保険労務士の有資格者に対して、資格手当を支給しています。手当の金額は、企業によって違いますが、毎月10,000円～50,000円ほどです。

企業の人事部や総務部に所属している、勤務社会保険労務士は、特に優遇されています。

Ｑ　５：　開業したら儲かるでしょうか？
Ａ：
開業後の努力次第といえます。
営業活動によって、新規クライアントを多く獲得すれば、年収1,000万円も可能です。しかし、最初の数年～５年ほどは、収入面でも厳しいことが多く、地道な努力が必要です。

ちなみに、厚生労働省の統計では、開業社会保険労務士の平均年収は、2005年で約550万円、2006年で約450万円になっています。

（年収額は、あくまで厚生労働省の推定値です。また、社会保険労務士によって、数百万円の幅があります。）

Ｑ　６：　実務経験が少なくても、開業して大丈夫ですか？
Ａ：
いきなり独立開業した場合は、当初から数年間は収入的に厳しい状態が、予想されますので、ある程度の貯蓄をした後に開業するのが賢明です。

後は、日々の営業活動やスキルアップによって、クライアントを確実に増やしていくことに尽きます。

もし、現在会社に勤めている場合は、十分、労務の実務経験を積み、開業のために人脈を広げたり、関連資格を取得したり、あるいは資金を用意するなど、準備を早くからしておくとよいでしょう。

Ｑ　７：　他の資格を持っていると、開業したときに有利ですか？
Ａ：
社会保険労務士に関連する資格としては、税理士、行政書士、司法書士などがあります。特に税理士は、事業主（クライアント）の税務面の業務を獲得できる強みがありますので、非常に有利になります。

Ｑ　８：　開業して収入を増やすには、どうすればいいのですか？
Ａ：
収入アップには、以下のようないくつかのポイントがあります。

・新規クライアントの開拓と交流会などにより、人脈を広げる
　　・・・日々の営業活動によって、早く収入の安定を目指し、
　　　　　また、多くの人に自分のことを知ってもらう

・インターネットを利用した宣伝
　　・・・ネット経由からもクライアントが獲得できるようにする
　　　　（例：年金Ｑ＆Ａ、初心者でもわかる申請書の書き方etc）

・労務コンサルティングによる報酬額アップを目指す
　　　・・・事業主に代わって書類を作成したり、官庁に申請する業務より、
　　　　　　コンサルティングの方が報酬額が高くなっています。

Ｑ　９：　特定社会保険労務士という資格が、新設されたと聞きましたが？
Ａ：
近年、労使間の労働トラブル（労働紛争）が増加してきており、これに対処するために、平成19年4月に新設されました。

特定社会保険労務士は、労使間の間に入って、労働紛争を解決するあっせん代理業務の役割をします。この業務は、社会保険労務士には認められていないもので、特定社会保険労務士だけが行なうことができ、現在注目されている資格です。

Ｑ１０：　特定社会保険労務士を、受験するにはどうすればいいのですか？
Ａ：
特定社会保険労務士の受験資格者は、現在、社会保険労務士であることが必要で、いきなり、特定社会保険労務士だけを受験することはできません。

受験するには、講義、グループ研修、ゼミナールなどの特別研修を受講します。そして、受講後に実施される試験にパスすると、特定社会保険労務士になることができます。
詳細については、特定社会保険労務士の試験をご覧ください。

社会保険労務士Ｑ＆Ａ｜社労士試験